フォードvsフェラーリ
『フォードvsフェラーリ』(2019)
カーレース界でフェラーリが圧倒的な力を持っていた1966年、エンジニアのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)はフォード・モーター社からル・マンでの勝利を命じられる。敵を圧倒する新車開発に励む彼は、型破りなイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に目をつける。時間も資金も限られた中、二人はフェラーリに勝利するため力を合わせて試練を乗り越えていく。(Yahoo!映画より)
カーレースを題材にした映画は好きだ。
『栄光のル・マン』『グランプリ』他はあまり知らないけど…
まったく車について詳しいわけではないけれど、エンジン音やスピード感、
なんといってもレーシングカーのデザインが好きなのだ。
速く走ることはもちろん、走り続けられる耐久性を持った車を作るために、
改良を重ね作り上げられたそれぞれの車には、生き物のような迫力がある。
カーレースに事故はつきもの。
命がけの戦いなのだ。
だが、そこに夢を持って、人生を賭けてでも挑もうとする男たちの姿にグッとくるのである。
1966年、フォード社は景気の落ち込みもあり、自社のイメージ向上のため、
カーレースへの参入を決めた。
フォード社はフェラーリを買収しようとしたが拒まれた。
なぜならフェラーリは、はじめからフォードに買収される話を流して、
フィアットに高値で買収してもらおうという魂胆だったのだ。
それに怒ったヘンリー・フォード2世は、ル・マン24時間レースで
フェラーリに勝てる車を作ることを決める。
プロジェクトを任せられたのは、元ル・マン優勝者のキャロル・シェルビー。
彼は、レーサーのケン・マイルズを誘い、打倒フェラーリに挑む。
ピットインの整備士たちの手際の良さやチームワークなど、観ていて楽しい。
フォード車の幹部たちからの圧力や、レース中のアクシデントにもチームワークで乗り切る。
そしてケン・マイルズの息子と奥さんがとても良い。
よくよく考えてみれば、カーレースって命を賭けるほど必死になるようなことなのかしら、と思ってしまう。
勝つか負けるか、ただそれだけのことで、下らないと言えば下らないのでは…。
しかし、そんなことなど疑問に思わず、自分の仕事に全力を注ぐ。
意味など考えず、その物事にのめり込めることがある人は結果がどうであれ幸せだと思う。
レース終盤のフェラーリとの接戦、「いまだ」と相手を追い抜く瞬間の、
何とも言えない高揚感というか、そういう緊迫感が伝わってくる素晴らしい映画だった。
まさかカーレースの映画で感動するとは思わなったが、なかなか心つかまれる作品だった。
また、クリスチャン・ベイルも良かったが、個人的にはマット・デイモンって
今まであんまり興味なかったけど、わりと良い俳優さんなんだなと今さらながら感激した。